ある雑誌のコラムとして執筆したもののボツとなった原稿。バーガーキングの「WHOPPER SACRIFICE」キャンペーンについて。
WHOPPER SACRIFICE
http://www.whoppersacrifice.com/
度肝を抜くようなバイラルキャンペーンに飽くなき挑戦を続けるバーガーキング。新年早々、まずはWhopper Sacrificeキャンペーンで物議を醸してくれました。バーガーキングのハンバーガーであるWhopperへの愛の証として、友達を犠牲にしよう、というキャンペーンを展開したのです。Facebookで専用アプリをインストールして、それを通じて友達10人を削除すると、Whopperの無料クーポンがもらえる仕組みです。
アプリから犠牲にする友達を選択すると、プロフィール写真が炎に包まれてゆきます。ちょっと心が痛みますが、これを10回繰り返すうちにWhopperへの愛は深まっていくのでしょう。大切な友達を犠牲にできない、というひとも大丈夫。このキャンペーンへの参加を目的とした、割り切った友達を探すコミュニティが発生しました。わたしはそこで知らないひとと友達になって、互いに削除しあいました。
このキャンペーンが話題になったのは、友達の輪を広げるためのSNSで、その逆の行為を求めたからでしょう。でも、これってわれわれのインサイトを突いていると思うんです。何かのきっかけで友達になったけど、誰だか思い出せない友達がいるとか。断わりきれずに会社の上司が友達になっているとか。そういうのは何とかならないかな、という口には出せない本音を突いていると思うんです。そういう友達を冗談まじりに削除する絶好の機会になったのではないでしょうか。
今回のキャンペーンでは、「Taro sacrificed Hanako for a free burger at Whopper Sacrifice.」というように、友達を削除したことが友達に知らされるようになっていました。これは話題の伝播を助けたものの、Facebookよりプライバシーポリシーに違反すると指摘され、キャンペーンはすぐに終了。犠牲になった23万人の方々には、心からお見舞い申し上げます。
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