ディスプレイ広告のインプレッション数は、出稿期間中に何万回と配信されても、出稿期間が終了すればゼロになる。しかし、バイラル動画やブログパーツは、ブログやSNSに貼られたら、あえてはがされないかぎり、配信され続ける。
ディスプレイ広告にウィジェットの長所を取り入れたのが「Widget Ads」だ。「Widget Ads」はブログやSNSに簡単に貼り付けられる機能を装備しているので、広告枠から持ち出されてソーシャルメディアに広まっていき、出稿期間が終了しても配信され続ける。EyeblasterがGigyaから共有機能の提供を受けて展開した広告の例を参考までに貼り付けておく。「SHARE」をクリックすると、各種ソーシャルメディアへの登録ボタンが出現する。
海外で「Widget Ads」分野に参入している主要な企業は次の通り。
日本では、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムなどが開発しているが、数件の実績しか確認したことがない。広告内で外部サイト(競合サイトのこともありうる)との通信が発生することについてパブリッシャーが許容しないことや、積極的にAPIを開放しているソーシャルメディアが少ないことが、日本での普及を阻害している。
「Widget Ads」は、広告のクリエイターにも新たな刺激を与えるだろう。共有機能が装備されている広告であっても、平凡な広告表現では、消費者がそれをブログやSNSに貼り付けたいと思わないからだ。人気のタレントが登場する、おもしろい動画が再生される、たのしいゲームで遊べるなど、ブログやSNSに貼り付けたくさせる工夫が求められる。
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