ディスプイレイ広告のサイズと効果について問い合わせを受けました。一般的に、広告は "Bigger is Better" といわれます。ディスプレイ広告も例外ではありません。2年前の資料ですが、ディスプレイ広告を大型化することによりクリック率が上昇することは、次のサイバーウィングの調査でも実証されています。
MediaMind(旧社名はEyeblaster)の次の資料でも、広告のサイズとクリック率の関係を確認できます。これは同社が2009年に配信した広告の統計なので、サイバーウィングの統計より新しく普遍的なものです。
"download here" というところからPDFファイルをダウンロードしてください。P6に、広告サイズ別のクリック率のグラフがあります。
リッチメディア広告は、そのリッチな要素の出来も影響するので、必ずしも広告の面積が大きければクリック率が高いというわけでもありません。しかし、標準的なバナーは、基本的には広告の面積とクリック率に正の相関があります。160x600が大型なのにクリック率が低めなのは、記事の外(視線の外)に広告が配置されることが多いためです。300x600、336x280、300x250などは、記事中に配置されることが多いのでクリック率が高めです。
ご注意:これは世界の統計です。日本の統計はP24にありますが、標準的なバナーについては、300x250と728x90の比較しかありません。300x250のクリック率は728x90のそれの3倍になっています。
広告サイズとクリック率でなく、広告サイズと広告認知率の関係を確認したければ、Dynamic Logicの統計が参考になります。
- Is Bigger Better When it Comes to Online Ad Size? Jury Still Out, According to Dynamic Logic
http://www.dynamiclogic.com/na/pressroom/releases/?id=712
Dynamic Logicは、オンライン広告の効果測定を専門とする調査会社です。このグラフは、同社が過去3年間に調査した2,390件のディスプレイ広告について、広告接触1回のグループの広告認知率が、広告非接触グループのそれより何ポイント高くなっているかを、広告サイズ別に比較したものです。
すべての広告サイズを平均すると、広告接触1回グループの広告認知率は、広告非接触グループのそれより3ポイント高くなっていました。記事中に配置されやすいサイズの広告のパフォーマンスは高めでした。
EyeblasterとDynamic Logicの統計を総合すると、ディスプレイ広告の効果は、そのサイズばかりでなく、掲載位置によっても左右されるといえます。広告のパフォーマンスを高められる掲載位置については、Googleの「ヒートマップ」を参考にするとよいでしょう。
もちろん、広告効果を左右するのは、広告のサイズや掲載位置ばかりではありません。クラッター(同じページに広告がいくつも表示されていないか)、滞在時間(じっくり見られるページか)、訪問頻度(何度も訪問されるページか)なども影響します。媒体資料を見るだけでは、これらの情報をつかみきれません。メディアプランナーは、ひとりのオーディエンスとして、実際に広告掲載ページを訪問してみる必要があります。そして、何より広告効果を左右するのは広告表現です。クリエイターともこれらの情報を共有して、そのページでより注目されやすい広告を準備すべきでしょう。
ADKインタラクティブ総研は、海外の情報も含め、オンラインマーケティングについてのさまざまな統計を収集、分析しています。質問などあればお寄せください。
最近のコメント