総務省の「情報流通センサス」から「選択可能情報量」を引用して、「この10年で消費者を取り巻く情報量が530倍になった」などと紹介する資料を、まだたまに見かけます。しかし、「情報流通センサス」は何年も前に終了して、計量対象メディアや計量数値が見直された新情報流通量指標「情報流通インデックス」に引き継がれています。
今月5日、3年目となる「情報流通インデックス」計量結果の公表があったので、過去2年分とともにご紹介しておきます。
総務省の「情報流通センサス」から「選択可能情報量」を引用して、「この10年で消費者を取り巻く情報量が530倍になった」などと紹介する資料を、まだたまに見かけます。しかし、「情報流通センサス」は何年も前に終了して、計量対象メディアや計量数値が見直された新情報流通量指標「情報流通インデックス」に引き継がれています。
今月5日、3年目となる「情報流通インデックス」計量結果の公表があったので、過去2年分とともにご紹介しておきます。
ソーシャルメディアの利用者に FOMO という心理が広まっているそうです。FOMO について、日本語による解説はほとんど見つけられないのですが、海外には次のように丁寧な記事がありました。
FOMOとは、友人の充実した生活を知ることにより、自分が機会を逃した(逃す)こと(あるいは忘れ去られること)について不安になったり、落ち込んだり、焦ったりすることのようです。いわゆるミクシィ疲れという感覚、リア充に対する感情に近いでしょうか。ソーシャルメディア、スマートフォン、ロケーションベースサービスの普及により、私たちは見聞きするはずのなかった友人の行動にリアルタイムに触れています。これらの情報が FOMO を生み出しているわけです。自分の行動をソーシャルメディアに投稿すると、自分の FOMO は癒されるものの、友人にとってはその投稿が新たな FOMO になります。
マーケッターは FOMO を理解すべしとのことで、JWT がレポートを公開していたりします。ご参考まで。リア充という言葉も輸出できるような気がしてきました。
コカコーラのウェンディークラーク氏が同社の Liquid and Linked 戦略を紹介するビデオを視聴しました。Liquid and Linked とは、液体のようにあらゆるコミュニケーションポイントに波及させるけれども、すべてがブランド戦略と結び付いている、ということのようです。
もっとも印象的だった言葉は Expression > Impression です。インプレッションはただの露出であり、消費者にとっては受動的なものだけれども、エクスプレッション(コメント、シェア、アップロードなど)はエンゲージメントだということです。
また、 Paid/Owned/Earned media に加えて、 Shared media という概念を紹介していました。マクドナルドやウォルマートなどのパートナー(コカコーラとして完全にはコントロールできないメディア)を Shared media と整理していました。
5月28日、UEFAチャンピオンズリーグの決勝が開催されました。サッカーは好きですが、ファンと言えるほどではなく、チームや選手もよく知りません。でも、午前3時半に目覚ましを鳴らして、テレビで生中継を観戦しました。
テレビ中継をリアルタイムで視聴したかったのは、本大会のスポンサーであるハイネケンによるiPhoneアプリ「Heineken Star Player」を体験してみたかったからです。
これは、試合を観戦しながらリアルタイムに展開を予想して、バッチやポイントを集めるアプリです。例えば、コーナーキックになったとすると、ゴールするか、セーブされるか、ミスするか、クリアされるか、選択肢が表示されます。コーナーが蹴られるまでに予想して、その通りの展開になると、ポイントを獲得できます。コーナーキックだけでなく、フリーキックやペナルティキックなどでも、展開を予想します。試合中に8回まで、30秒以内のゴールを予想することもできます。また、途中でサッカーのクイズが投げかけられ、それに正解することでポイントを獲得することもできます。このようにして獲得したポイントを、世界中のサッカーファンや友人と競って楽しむわけです。
このアプリは、地上波テレビで放送された決勝だけで使用してみましたが、決勝以外の試合でも機能していました。熱狂的なファンは、決勝にいたるまでの各試合でもこのアプリを使用して、ポイントの獲得に励んだようです。
このアプリの仕組みは、テレビのライブ視聴や継続視聴を促進するものとして注目できます。UEFAチャンピオンズリーグだけでなく、日本のサッカーで展開しても人気が出るでしょう。ファンサービスとして、チーム単位で導入してもよいかもしれません。また、サッカー以外のスポーツでもおもしろそうです。野球のように、サッカーより展開が緩やかなスポーツのほうが適当かもしれません。
foursquare、ロケタッチ(ライブドア)、RecoCheck(リクルート)のような、スマートフォンから位置情報を共有するジオロケーションサービスが人気のようです。Facebookやmixiなども、類似の機能を搭載しています。
これらは場所にチェックインするサービスですが、それの発展系として、エンターテインメントやテレビ番組にチェックインできるサービスも存在するようです。
4月25日にアメリカのYahoo!がテレビ番組チェックインサービスのIntoNowを買収したというニュースも飛び込んできました。IntoNowは、Shazamとfoursquareを掛け合わせたようなアプリです。放送中の番組を含む過去5年分のテレビ番組を音声から判別して、視聴している番組を友人と共有できます。
次のビデオによるデモが分かりやすいです。
PepsiCoは、メジャーリーグの中継で放送されるテレビ広告にIntoNowからチェックインしてくれた視聴者に、商品の無料クーポンを配布するという施策を展開しました。番組中にテレビ広告を探してもらえること、広告の視聴体験を友人と共有してもらえることを期待した施策といえます。
テレビとインターネットは、ある側面では競合する存在です。が、インターネットがテレビをおもしろくしたり、テレビがインターネットをおもしろくしたりすることも確かですね。そこに新たなコミュニケーションの可能性を感じます。
ADKインタラクティブも会員になっているWOMマーケティング協議会が、今年も「WOMマーケティングサミット 2011」を3月16日に開催します。豪華プログラム。詳細は次のページでご確認ください。チケットはまだ残っているようです。
Facebookページも「いいね!」
----- 追記(3月15日) -----
東北地方太平洋沖地震の影響により、開催を延期するそうです。
2月はあっという間でしたが、ADKインタラクティブは次の3件のニュースリリースを行いました。記事として取り上げてくださった皆さま、お問い合わせいただいた皆さま、ありがとうございました。3月以降も、ご期待に応えられるようサービスを追求してまいります。
オガワカズヒロさんが主催するイベント「WBS2.0」に、ADKインタラクティブ代表取締役社長の横山隆治がゲストとして参加することになりました。
テーマ: 『トリプルメディアマーケティングによる広告コミュニケーション戦略~ソーシャルメディア対応に適した企業組織の最適化と広告連携戦略』
日時: 2011年2月3日(木) 19:00-20:30
場所: アップルストア銀座
2月4日、TKP大手町カンファレンスセンターにおきまして、ADKインタラクティブ×エクスペリエンス×ビービットの3社共催セミナーが開催されます。
Webが企業のマーケティングコミュニケーション装置として、より重要な位置づけとなる中、成果をあげるデジタルコミュニケーション戦略を立案するにあたって、ソーシャルメディア、自社メディア、広告メディアのトリプルメディアの連携戦略が必要不可欠となってきています。
さらに、そのビジネス成果の最大化のためには、明確なコミュニケーション戦略の立案、実施、効果検証、その結果を次の施策に繋げていくという、いわゆる「PDCAサイクル」をきちんと回すことが重要です。
本セミナーでは、あらゆるサイトに不可欠な「集客から集客後のコンバージョンまで」の考え方や効果検証手法、最適化プロセスなどを、具体的な事例とともにご紹介いたします。
参加費は無料、定員60名様となっております。
講師:
株式会社ADKインタラクティブ 代表取締役社長 横山 隆治
株式会社ビービット 代表取締役 遠藤 直紀
株式会社エクスペリエンス 代表取締役社長 橘 守
※講演順
詳しくはこちらをご覧下さい。
奮ってのご参加をお待ち致しております。
先日の記事「トリプルメディアの解釈」で、次のように書きました。
Earned media は、Paid media や Owned media の作用を受けます。Earned media のプランニングは、Paid media のプランニングであり、Owned media のプランニングなのです。
3つのメディアの相互作用を理解するには、次の図を参考にするとよいでしょう。Forrester Marketing Forum 2009 において、Blast Radius が Starbucks の事例を紹介するときに披露しました。
Paid media が Owned media や Earned media に作用して、Owned media と Earned media が相互に作用する構造を、さらに簡略に表現したのが次の図です。イギリスの Internet Advertising Bureau のイベントのディベートで使用されました。
http://www.iabuk.net/en/1/events2009socialmediadebate2.mxs
いずれの図も、シンプルですが核心を突いており、想像力をかきたてられます。図の矢印が意味することを噛みしめて、3つのメディアの連係を計画したいものです。
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